2012.03.09
吉川デンタルクリニックに勤務して4年半経ち、幾度か大きな学会に参加させて頂く機会がありました。先生方のケースプレゼンテーションの中のほとんどに歯科衛生士が携わっている部分があり、仕事に対してのやりがいも増してきました。
今回の学会も私自身のモチベーションが上がる部分が大いにありました。そして、ケースプレゼンテーションを聴くときに、何に視点を置いているのかが以前とは違ってきていることに気づきました。
今までは、自分の知識の足りない部分を先生方のお話を聴くことで埋めていき、それを毎日の診療で患者様にお伝えすることができてきました。ただ最近は、診療の中で治療に関して包括的に意識が届くようになってきたので、包括診療においてどのように診断し、治療計画を立てられているのか、また、歯科衛生士はどのように携わっていけるのかというところに意識をおいてケースプレゼンテーションが聴けるように変わってきました。
歯周病に関して単純な局部の歯肉の炎症を診るのは簡単ですが、包括治療の中では歯科衛生士としてその炎症がどうして起こってきているのか、例えば咬合、歯周環境、歯の形態などを読む力が必要になります。そして、治療を進めるにあたり、歯科医師と同じレベルで治療計画について理解することで歯科医師と患者様の間の立場としてより分かりやすく患者様にそれをお伝えすることができ、その結果患者様の治療へのモチベーションを上げることにも繋がっていくのだと思います。
今現在、私が担当させていただいている中にも包括的な治療を必要とされている患者様が何人もおられますが、治療計画について十分に理解されずにおられる方、理解されているけれども長い治療期間の中で不安が出てきている方、途中で挫折されてる方もあり、まだまだ力不足を感じています。
私たち歯科医療に携わる者の根底には患者様に「お口の健康」を提供する義務があると思っています。先に挙げたような患者様に治療を理解、同意していただき、円滑に進めていけるようにサポートしていくことが私自身の今後の課題です。また今回の学会参加で、今後治療を歯科医師と患者様と一緒に進めていくとき、今まで以上に患者様とお話させてもらい、最終目標に向かって一緒に頑張っていきたいという気持ちが大きくなりました。
2004年5月2日
歯科衛生士 江本ゆかり