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第28回日本臨床歯周病学会に参加して

2012.03.14

6月26日(土)、27日(日)と2日にわたり京都国際会館で開催された日本臨床歯周病学会に参加したことをここに報告します。

 梅雨時の蒸し暑さの中、会場はほぼ満員のデンタルスタッフで埋め尽くされていました。向上心を持つ先生方やスタッフばかりの中、久しぶりの参加の私も活気に溢れる会場に居るだけでモチベーションが上がる感覚を覚えました。歯科衛生士を長年していると色んなことに対して慣れが出てしまい、基本的な些細なことをふっと流してしまっていることも多いのですが、このような学会に参加すると改めて大切な事に多く気付かされます。

  今回傍聴した中に認定歯科衛生士の教育講演の「実は難しい軽度歯周炎の治療」という演目があったのですが、これは”いかに私たち歯科衛生士が軽度歯周炎と判断し、それをいかに患者さまに伝え、この軽度のうちに助けられるか”を語った講演でした。

 確かに、日々の臨床で軽度歯周炎の患者さまが来院された場合、その多くの方はご自身の状態に気づかれておらず、またこちらも今の病状と将来重度に進行する可能性を伝えるのですが、患者さまは”遠い将来に起こるであろう”ということに対してはなかなか実感できないということもあり、予防の大切さを伝えるのが難しくなります。また、軽度歯周炎の場合は治療期間も短くなるため、患者さまとのコミュニケーションを短期間で取り信頼関係を築くことが難しく、それは治療成果が上がらない原因にもつながると感じています。しかし、今後いかに中等度から重度の歯周病患者を作らないかということは、予防を担う歯科衛生士がしっかり取り組んでいかなければならない大きな課題で、私自身の成長につながると思っています。

 今日TV番組などでも歯周病と全身疾患の関わりがよく取り上げられていますが、私は健康の入口部分を担う立場としてより多くの方にそれを伝え、老年期も若い頃と変わらない生活の質を維持できる方を増やしていきたいという思いでいます。

  この学会では学術的なことももちろん多く学べたのですが、どの先生方の講演を聴いていても、治療後のメンテナンスがいかに重要かということが根底にあるように感じました。治療後10年20年と安定した状態があってこそ治療の成功になると思います。その長期間患者さまにメンテナンスに継続して来院していただくということは、歯科衛生士と患者さまとの関わり方が重要なポイントになることも改めて認識でき、貴重な講演をしてくださった先生方に感謝したいと思います。

平成22年6月28日

 歯科衛生士 江本ゆかり

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