今回の講演で、メンテナンスの時にカリエスや歯肉の変化だけでなく、口腔機能に現れる変化や全身のバランス等を診ていく必要があるというお話があり、特に高齢患者様を長期に渡って診ていく場合にはとても大切なことだと感じました。発表された衛生士さんの医院では、口腔機能を客観的に評価し、機能が低下している患者様に対してはトレーニングやエクササイズを指導して改善を図られているとのことでした。お口の環境、機能を整えることは、美味しくものが食べられ、楽しく会話が出来て自立した生活や社会生活への参加に繋がりますし、認知症の予防にもなります。患者様がお口の健康を通して全身の健康を維持出来るように、これから着眼点を広げてメンテナンスに臨みたいと思いました。
また、矯正治療と歯周治療が連携する症例における衛生士の役割のお話もあり、当院でもたくさんの成人矯正の患者さまがいらっしゃるので、とても参考になりました。歯肉に炎症がある場合の矯正治療は急速で非可逆的な組織破壊を引き起こしていまいます。患者様を安全に治療のゴールまでサポート出来るように、矯正中は歯周組織の変化をよく観察することと、患者様に治療のことや、プラークコントロールの重要性を理解していただけるように十分な説明を行うこと、そして、治療期間が長くなるのでモチベーションを維持出来るように励まし、一緒に頑張っていきたいと思います。
平成24年4月22日
歯科衛生士 福嶋 ひろ美